Grazaに学ぶ:オリーブオイル市場でGen Zを掴んだDTCブランドの成長戦略
- Kazu Takiguchi

- 2025年9月19日
- 読了時間: 4分

「オリーブオイル」という古くて成熟した市場で、「Gen Z世代」と「SNSネイティブ」の戦略を採るブランドだけが爆発的に伸びている。Grazaはその典型です。参入障壁が高そうに見えるカテゴリーでも、デザイン・UX・ソーシャルの文脈を変えることで、Retailへ行く前にマーケットでの支持を確立できます。
Grazaとは(収益モデルと売上規模)
Grazaは「スクイーズボトル入りのピュア・エクストラヴァージン オリーブオイル」をDTC(Shopify基盤)で展開し、サブスクリプションモデルと限定的な卸(高級スーパー)で認知と信頼を増してきました。
ローンチ初週で US$100,000 の売上を記録。広告費をほぼかけずにブランドギフトやソーシャルでの拡散を活用。
ローンチから3か月以内で US$500,000 を突破。これはDTCブランドとしては非常に速い成長スピードです。
Point
無料でのクリエイター・ギフティングやオーガニックソーシャルで初動を爆発させた
高価格帯でも質と体験を武器に売上を早期に確保
北米のオリーブオイル市場と競争環境
オリーブオイルは確かに成熟した市場ですが、多くの製品は似たり寄ったりの見た目・パッケージであり、SNS時代の購買者(特にGen Z)は「シェアできる見た目」「使いやすさ」「物語性」を重視します。
また、ブランド側がRetailに頼りすぎると、マージンやブランド体験がコントロールしにくくなります。GrazaはRetail展開もしていますが、それはあくまで「認知拡大」と「選ばれる棚」のため。主戦場はDTCで、Retailは慎重に使うチャネルとして位置づけています。
Point
多くの既存ブランドはRed Ocean化したRetail中心戦略で苦戦中
Social Media + UXデザイン + DTC起点が、差別化を可能にしている
Grazaの差別化ポイント
Grazaのプロダクトデザインは非常に特徴的です。スクイーズボトルという形状の選択が「使いやすさ」だけでなく、「見た目」「SNSでの映え」「キッチンツールとしての所有欲」を刺激しています。加えて、UX(購入体験・開封体験・ブランドのビジュアル統一性)にも力を入れており、コンテンツやパッケージからWebサイト、メールまで統一感を持たせています。
さらに、Launch前にクリエイターへのサンプリング(ギフティング)を実施し、実使用のレビューやUGC(User Generated Content)を自然発生させることにより、広告費を抑えてスタートダッシュを切りました。
Point
UX + デザイン + ボトル形状が「視覚的差別化」と「使い勝手」の両方を満たす
クリエイターギフティングなどソーシャル起点の仕掛けが売上初期の爆発を牽引
初期の爆発的成長(1〜2ヶ月目のデータ)
Grazaはローンチ第一週に US$100,000 の売上を達成し、3か月以内に US$500,000 を突破しました。これらはすべて有料広告なしでの達成です。クリエイターとの自然な拡散、メールリスト事前構築、ソーシャルでのビジュアル戦略が功を奏しました。
社会メディアフレンドリー戦略・Product Design/UXが重要な理由
「商品が良いだけでは足りない」時代です。Gen Zや若い消費者は、パッケージがどう見えるか、使いやすさ・フレンドリーさ・視覚的な共感を得られるかを重視します。Grazaはこの点を徹底しました:
ボトル形状をスクイーズ型にして取り扱いを容易にし、料理中にも使いたくなるデザインに
ウェブサイト・メール・パッケージ・ソーシャル投稿に至るまでデザイン統一性を重視し、ブランドの「顔」を明確にする UX の設計
Retailに行く前にこの「見た目・体験設計」でファンを掘る戦略が非常に有効です。Retailは在庫管理や流通コスト、棚採り交渉など障壁が多いため、安易なRetail拡大はブランドコントロールを曖昧にしがちです。
Retail展開についての注意
GrazaはErewhonなど高級スーパーでの取り扱いがあります。「Graza Frizzle Olive Oil Squeeze Bottle」などがErewhonで扱われています。
ただし、このRetail展開は主戦場ではなく、「ブランド認知度拡大」「プレミアム・棚ポジションの確保」の目的で限定的に行われているものです。つまりRetailを目標地点として動くのではなく、DTCでの強さを先に築いてから慎重に拡げる形です。
日本企業への示唆
古い市場、成熟市場、競争が激しいカテゴリーでも、SNSネイティブ世代に響く商品デザインとUX設計があれば十分勝機があります。「Made in Japan」だけでなく、見た目・使いやすさ・ソーシャルでの「共有したくなる体験」がキーとなります。Retailでの拡大は後回しにして、DTCでのファンづくりとソーシャルでの拡散を先行させる戦略が成功確率を高めるでしょう。


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