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de minimis 廃止で北米越境は加速して“死”に向かっているのか?

de minimis is dead
de minimis is dead

トランプ大統領の関税政策で、越境ECを支えてきた“少額輸入無税制度(de minimis)”が完全に終わりを迎えつつあります。2025年8月29日から、$800以下の輸入品であっても関税・税その他の通関処理がかかるようになり、ブランドや越境事業者はこれまでの戦略を根本から見直さざるを得ないフェーズに入っています。では何が変わり、どう対処すべきか?alqame の観点から抑えておきたいポイントを以下に整理します。


1. 実態:de minimis 廃止前の勝者と恩恵


越境ECブランドにとって、「少額なら関税ゼロ」という制度は大きなアドバンテージでした。$800以下の輸入については、税金も通関手続きも最小限で済み、消費者は追加コストなしで海外の商品を購入でき、ブランドは低コストで米国市場にアクセスできていました。この制度があったからこそ、小規模ブランドでも低リスクでテスト販売ができ、価格競争力を持てたのです。


ポイント:

  • ユーザーは関税なしで購入できることでコスト感の心理的ハードルが低かった

  • ブランドは米国法人なしでも、越境での価格優位を確保できた


2. 廃止による迫られている決断:コストを誰が負担するか?


制度が変わったことで、ブランドは「関税を誰が払うか」を明確にせざるを得なくなりました。これまで無料だったものがコストになると、ユーザー負担とブランド負担のどちらを選ぶかでビジネスモデルが大きく変わります。例えば、ユーザーに関税を請求すれば価格競争力が落ちますし、ブランドが吸収すれば利益率が圧迫されます。価格改定をするなら、どこまで引き上げるか慎重な計算が必要です。


ポイント:

  • ユーザーに支払わせるか、ブランドが吸収するかの判断が今後の収益性を左右する

  • 価格優位性が維持できるかどうか、改定後の価格設計とブランド体験で差が出る


3. 政策変更の概要と発効日


この変化は予告なしではなく、米国政府によって正式に発表され、実効日が設定された政策変更です。2025年7月30日の大統領令(Executive Order 14324)により、全世界からの輸入品について de minimis の制度が廃止されることが指示され、8月29日午前0時1分(東部時間)よりその新ルールが発効されました。関税や関税分類(HTSコード)、通関書類の提出義務などが強化されています。


ポイント:

  • 発効日:2025年8月29日(米国時間)

  • 全世界対象で、$800以下の商品でも税関や関税の対象に/書類・通関手続きの負荷が増加


4. なぜ「北米越境は死に向かっている」のか?影響のリアリティ


この変化は単なるルールの改定ではなく、越境ビジネスの“根幹”を揺さぶるものです。これまで送料+関税ゼロという魅力で購入を決めていたユーザーたちにとって、追加コストが付くということは購入意思を抑制する材料になります。そして、ブランド側はこれまで無視できた通関コスト・関税計算・書類手配を正式に組み込まないと、利益が消えてしまいます。多くのブランドがこの“見えないコスト”や“顧客の心理的抵抗”に慣れておらず、この制度変更で“死角”に入ってしまったのです。


ポイント:

  • 消費者の“価格とコスト”感度が極めて高くなり、購入障壁が上昇する

  • ブランドは収益モデルの見直しなしには、コスト上昇を吸収できず利益率が圧迫される


5. 対策案:今すぐできるアクション


de minimis 廃止によって、従来の「関税ゼロ越境モデル」は消滅しました。今後ブランドは 「誰が関税を負担するのか」 という厳しい問いに直面します。ユーザーに負担させれば価格競争力を失い、ブランドが吸収すれば収益性が崩れる。つまり、従来の仕組みを維持したままでは成長は難しく、新しいモデルへのシフトが不可欠です。


現地法人・現地在庫モデル

もっとも王道のアプローチが 米国に法人を設立し、現地に在庫を持つモデル です。Amazon FBAや3PL(ShipBob等)と組み合わせれば、配送リードタイムを短縮でき、ユーザーに安心感を与えられます。ただし法人設立・税務申告・倉庫コストといった初期投資やオペレーション負荷は高め。長期的に米国市場を大きな柱とする覚悟がある場合に適しています。


OEM・現地製造

もう一つの強力な対策は、現地でOEM生産することです。輸送・関税のコストを大幅に削減でき、さらに「Made in USA」や「US Formulated」の表示でマーケティング上の優位性を得られる可能性があります。特に化粧品やサプリは規制対応を含めて現地の方がスムーズに進むケースも多く、日本からの輸入にこだわらず「どこで作るのが顧客と自社にとって最も合理的か」を考える視点が重要です。


価格戦略の見直し

どうしても日本から輸出を続ける場合、価格改定による関税負担の転嫁が避けられません。問題は、ユーザーがその価格で「まだ買うのか?」という点。北米の消費者は価格感度が高い一方で、機能・ブランドストーリー・ユニークな成分への支払い意欲も存在します。単なる値上げではなく、「プレミアムを支払う理由」を明確に打ち出す必要があります。


Point

  • 現地法人・現地在庫モデル

    1. 在庫を持ち配送を高速化。初期投資は大きいが本格参入に必須。

  • OEM・現地製造

    1. Made in USA メリット+輸送・関税コスト削減。合理性を優先。

  • 価格戦略見直し

    1. 関税分を転嫁する場合、ストーリーや付加価値で納得感を創出。


6. 委託販売スキーム ― 最も現実的な入口戦略


de minimis 廃止で越境のハードルが上がる中、いきなり現地法人設立やOEM製造に踏み切るのは難しい。そこで注目されるのが 委託販売スキーム です。


このモデルでは、ブランドは在庫を日本に持ちつつ、alqameが米国側で販売主体となり、マーケティングからロジスティクスまでを代行。ブランド側は最低保証(MG)と在庫リスクだけを負担すればよく、現地での複雑な手続きや規制対応を背負わずに米国市場へ参入できます。


さらに、alqameが販売を通じて得た リアルな顧客データや購買行動の知見 をフィードバックすることで、ブランドは「どんな製品がどの価格帯で売れるのか」という市場学習を最小リスクで獲得可能。この「実売を伴うマーケットテスト」は、単なる調査よりもはるかに信頼性が高く、次の投資判断を確実にします。


Point

  • 委託販売スキーム

    1. alqameが販売主体となり、ブランドは在庫リスクとMGだけで参入可能。

  • 学習と戦略フィードバック

    1. 米国消費者の購買データを活用し、次の成長戦略に直結させる。



最後に ― なんでもalqameにご相談ください


米国進出は規制対応からロジスティクス、OEM先選定、ブランド戦略、マーケティング実行まで、多くのハードルがあります。ですが、すべてを自分で背負う必要はありません。alqameには、現地で戦ってきたスペシャリストが揃っており、日本語での無料相談からスタートできます。


まずはお気軽に、どんな小さな疑問でもご相談ください。私たちが「次の一歩」を共に設計します。

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